オーダー製品を依頼する時の工夫
明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いします!
さて2017年一発目のブログはずばり・・・
「フルオーダーの仕組み」
という事で、過去にも何回か記事を書いておりますがオサライです。
個人・企業に関わらずオリジナル商品の製作や、
自分だけの好みを詰め込んだオーダー商品を作りたいと思う方は多いです。
特に弊社ではHATAでは外観製品を、
畑精密としては内部部品や治具などのオーダーを頂いております。
オーダーのメリットとしては、まさに自分(自社)好みの完全な仕様に出来るという点です。
しかしそこには必ず「コスト(費用・出費)」が関係します。
今まで実績として数万種類のオーダー依頼を受けてきた私から皆さんへ、
「アドバイス」や「オーダーの仕組み」や「心構え」などを書かせて頂き、少しでも参考にして頂ければありがたいと思います。
失敗だけはしてほしくないので、文中には厳しい言葉を交える事もありますのでご了承下さい。
早速ですが、基本から。
・オーダー商品(同一商品)は多く作れば単価は安くなる
基本でありながら一番重要な部分です。
特に企業の方や、オーダーした商品を後々販売しようとされている方は特に重要です。
まず・・・
「自分の好みの品を作ってもらいたいけど、安く作って欲しい」
この考え方を捨てる必要は御座いません、しかし!!
これを自分で吸収や工夫をせずに制作側に押し付けてはいけません。
(実は結構多いです)
まずは冷静に考えてみましょう、なぜオーダーするのか・・・?
「自分では作れない物を、代わりに作ってもらうしかないから」です。
そもそも自分で作れる方はオーダーしません。
利益度外視や利益ほぼ0という企業さんでも、
利益完全0や赤字で作りますという企業は滅多にいません。
自分で作ればそれらも発生しない完全最低限費用で製作できます。
つまり、作ってもらう代わりに費用を払うというシンプルな構造を絶対に忘れないで下さい。
私も協力企業に加工を依頼する時は常にそれを考えています。
話は戻りますが、創意工夫をして「安く作る」というのはどうするのか?
これは考え方が重要となります。
まずは作りたい品物は販売目的か?個人使用品か?
■個人使用品の場合
完全にお客さん自身のモノサシで予算などを決定されれば最善かと思います。
(仮に10万円を安いという方もいれば、高いという方もいるのが人間だと思います)
■販売目的の場合
まずは数種類の「1ロット(一度に注文する数)別の見積もり」を取ることをお勧めします。
:例:
1個/Lot
10個/Lot
20個/Lot・・・等
これで大体の価格が出ます。
ここでの重要なポイントは「合計費用ではなく、単価で考える事」となります。
仮にこちらの弊社商品を例にあげてみましょう。
この商品「HATA-EF筐体セット」という品です。
A5056アルミからの贅沢な削りだし品で2015年には世界初とも言われた自信作です。
もしもこれをロット別に見積もった場合・・・
(@マークは単価、¥マークは総額)
1セット/Lot=@30,000、¥30,000
5セット/Lot=@23,000、¥115,000
10セット/Lot=@15,000、¥150,000
20セット/Lot=@8,600、¥172,000
(2016年12月時点での材料費、刃物費、油費から算出)
どうでしょうか?
ここで重要なのは単価(@)です。
(消費者)目線で考えると、
販売店が多く量産して安く作ってくれれば販売価格も安価で実現できます。
(販売側)目線で考えると、
製品として自信がある物ほど多く作って単価を下げる事や、
少量生産にて「限定販売品として」量産時よりも高値で販売するか悩まれると思います。
それでもやはり目安が分かるように重要なのは相場(目安)を知ることです。
※重要※
数種類の個数別見積もりを行う事は大事!
(大体4種類くらいの見積もりが妥当です)
オーダーの見積もりを行なった事の無い方にとっては上記のような参考見積もりは良い知識かとも思います。
世の中の安い製品ほど量産品である可能性は高いですが、
その他にも壊れやすいけど安い、精度が悪いけど安い、粗悪な材料だけど安い、
人権費の安い国で生産されているから等、理由は様々です。
国内外に協力企業を持つ私からハッキリ言いますが、
日本で製品を作る事自体が高いです、それは仕方がないです。
仮に時給900円の人が1時間で一つの品を開始から仕上がりまで作るとします。
間違いなくその商品は900円以上しますよね?
とある海外の労働者の中には日本円でいうと時給1円以下の国も多いです。
勝てるわけがありません。
加工方法のノウハウや、経費削減するために自作で刃物を作ることは出来ても、
法律上定められた最低時給を工夫する事は出来ません。
■見積もり金額の出され方
意外と知られていない事なので過去何回か説明しておりますが、何回でもお知らせします。
・人件費
(製作する会社の所在地も影響します)
・刃物
(加工相手の材質によりピンきり(一本:数百円~数万円)で、中には一回の加工で新品交換しなければいけない加工材質も有ります。一度に使う刃物の本数も基本的には1本や2本ではない場合の方が多いです。)
・油
(加工時に消費する潤滑油、切削油などで加工材質や仕上がりによって選びます)
・材料
(一般材からレアメタル材、木材や樹脂などで数十万種類の価格があります)
・技術
(この会社でなければ不可能な事という内容ほど高価傾向)
・サイクルタイム(1個を作る時間)
(一つの品を完成までではなく、位置工程づつ何分必要とするかの計算と人件費に関係してきます)
・機械の占領
(加工する品の形状や精度によって使用する機械を選定します、一般的に高精度な品・丸や四角以外の異形に仕上げる品ほど多軸加工機、三次元加工機など高価な機械を使い、更にそれらの高次元加工機はモノ作り現場で重宝されているためほぼ常に稼働しており、別の品をスケジュールに組むという事は他の品を差し置く必要が出る為、見積もりも高価傾向になりがちです)
・製作日数
(機械の占領日数の計算となり、加工に使われる機械が高価であれば価格は跳ね上がります。平均の日数単価は一日¥6,000~35,000程度)
・歩留まり率
(NG品の発生率の事です、難易度の高い制作品ほどNG発生率が多くなる傾向で見積もりは高価傾向となります)
企業の大半は、基本的に上記内容で見積もりが行われ最適価格を算出されます。
とはいえ、ここまで細かく明確に教えてしまう弊社のような企業もあまり多くはないです。
未だに個人オーダーお断りや、企業相手でも少量生産お断りなど言われる事もあります。
これは企業としての考えなので様々ですが、少なくとも私は違います。
ただ、中には本当に信用を簡単に裏切る方や企業も多く存在するので、
だんだん信じられなくなってしまう事も分かります。
だからこそ常に私が言っている「大事なのは人と人」という事です。
オーダーの相談開始直後から、発注、納品されても繋がりは大事で付き合い方も大事です。
最終的に「何言ってんだコイツ」的な記事になってしまいましたが、本日は以上です。
何かの参考になればありがたいです。
(⌒▽⌒)
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