発売開始SPREADブランド「EF用板金ケースM」のモニター感想など
こんにちは!
昨年より少しづつ情報をお知らせしてきたこちらの商品について、
「商品の説明」そして「試用モニターさんの作品」も書いていこうと思います。
(かなりの長文となります)
「EF用-板金ケースM」
販売価格:¥2,000(¥2,160:税込)
・A5052アルミ板材
・シャーリング&曲げ(板金加工品)
・全面ヘアライン処理済み
HATA直販のみ、発売中!!
今回はこちらの製品詳細や製品製作に関する製作者の想い、
そしてこの製品を使ってモニターさんが製作してくれた作品の御紹介などをしていきます。
■EF専用とは?
特に完成品を使われている方にとって「EF用の」板金ケースと言われてもピンと来ない方も多いと思います。
商品として言えば「足で踏まれる品であること(十分な強度)」を考えられた板金ケースですが実は多くありません。
板金ケースのオーダー製作やメーカーが出している機材以外では「ほぼ皆無」といっても過言ではありません。
それは板の厚さが問題であり、1mm厚を超える板の厚さでは加工側が加工不可としてしまう事や仮に加工出来ても高コストになってしまう事が大きな原因です。
エフェクター製作者側にとっては自分の製作したケースの強度が弱いと「販売後に不具合に繋がる恐怖」も生まれます。
これは製作者側の気持ちを知らないと分からない部分でもありますね。
やはりお客さんが使う以上は壊れ辛い事が第一です。
そういった内容を踏まえた板金ケースを「EF専用の」と表記しております。
他社メーカーの板金ケースを使ってのEF作品は多くあると思いますが、
実は元々電源ケース&ボックス(自宅や工場などの配電盤用)として作られたケースを代用して製作されています。
ただのカバーですので、もちろん踏まれる用途は想定されていません。
下手をすれば踏んだ瞬間にフットスイッチごと「ズボッ」と穴が開く事もあります。
■目指した「完成形」
昨今のEFビルダーさんから最も希望されている部分を踏まえながらも、中村なりに考えた設計と使用になっております。
昨今の「EF製作における」製品には(部材の価格・安くて良い品・使い勝手)が重要となっております。
まずハッキリと言えるのは「安くて良い品」という点に関しては価値観の問題ですので万人を満たすことは不可能に近いです。
逆に言えば弊社商品全て私の中での安くて良い品でもあります。
(そもそも高い安い・言い悪いは人それぞれですから)
ですが「部材の価格(原価)」は完成品の販売価格に影響するであろう重要な点である事、
そして「使い勝手(制作品の幅広さ)」は製作者の自由度を増す事に大きな力を発揮できるので私はそこに注目しました。
1/14のツイキャスにて詳しく解説させて頂きました。
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まずは部材の価格としては他社製品にA5052アルミを使った2mm厚の類似製品が無い為、
比較は難しいと思いますが「90度の曲げ、曲げ加工傷の目立たなさ、加工精度、品質」という点で実現の難しい販売価格¥2,000を目指しました。
どれだけ低価格なのかは「中間マージンの発生してしまう販売店さんに卸せないほどの価格」という事が何よりの証拠です。
2mm厚の板材の曲げ加工はそれほど繊細で難しく、負荷をかけないと製作出来ないため傷を最小限に押さえることが難しいです。
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使い勝手については、一目瞭然ですが「中の広さ」が他同サイズの製品と較べても広く、
今まで困難だった基板サイズの配置や穴明け位置も可能となっておりますので、製作自由度は増しております。
■なぜSPREADブランドなのか?
最低限の完成品質であるため「真のクラフト用部材」として製作してあります。
例えば本体の外側角部には切断時のエッジが残り、
どのようにバリの除去をするか?も製作者にお任せしています。
なぜかといいますと「商品の時点であらゆる点で処理された品は自ずとコスト高で価格が上がる」からです。
(最初から色々仕上げてある事が最善とは限らない、余計な事ともなり得るのです)
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ビルダーさん自身でバリ処理が出来ない方はほぼいないと思いますので「自分で出来る分、入手価格が安くなるのはありがたい」という声の方が多かったモニターデータによって決定しました。
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角の隙間についても、ビルダーさんによってはアルミハンダや溶接で塞ぐ方もいれば、
塞いだ後に磨いて綺麗に仕上げる方もいます。
もちろん個人使用でそのままの状態にて使用される方もいますので、あえて弊社では何もしておらず理由は先述と同じ「余計な事はしない」です。
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ただ、当初はツルツルの表面に仕上げようと思いましたが、コストに影響しない範囲でのヘアラインを入れておくことで塗装の乗りが良くなるだろうと思い、表面は仕上げてあります。
色々な仕上げがされた商品にしてしまうと、板金ケースとはいえ7000円~12,000円の販売価格になってしまいます。
そうなると、T.Nakamuraブランドから販売中の「A5056削り出しケース」と特に変化もないという問題にもなります。
綺麗にバリも無く、似た作業性と材質特性を求められる方は削り出しをお選び頂ければと思います。
以上が商品の説明や仕様、製作者の考え方です。
■モニター試用頂いた作品の御紹介
今回は14名の個人のお客さんから、第一線で活躍されているプロビルダーの方に試用して頂きました。
大人の事情から公開出来る作品が4種類ですが、ぜひ見て下さいね!
もちろん参加頂いた全ての方の作品が素晴らしい品でした。
「痛エフェクター製作の塗装やイラスト、ペイントの使い勝手」
「攻めた内部、穴位置、回路を試してみた」
などなど、みなさん試して頂いたようです。
今回はこちらの4機種を御紹介します。
・UMA SOUND WORKS
DualBlaze(スチームパンクVersion)
もはや芸術品の領域、これこそ「踏めない」作品です!
板金ケースに特に処理は行わず無垢(むく)の状態ですね。
ノイズに関しては56材までの遮断はされていませんが、ダイキャスト等に比べたらやはり低ノイズでした。
これはもしかしたらA5000番台アルミの材質特性なのかもしれません。
出音されるサウンドは従来のDualBlazeとは少し中~高域寄り、
従来品の低~中寄りのサウンドとはまた違った使い方も出来ます。
UMA SOUND WORKS様より詳しい感想を頂いておりますので掲載させて頂きます。
・Alias Sound
一見つや消し塗装のようで、しっかりと輝く「パールゴールド」と勝手に名付けてしまったほど美しい仕上がり。
プライマー⇒黒塗装⇒ゴールド塗装の仕上げ。
ケース自体の角部も適度に処理されています。
赤いツマミがアクセントとなっているのも良いですね。
出音される音は非常に高品質なディストーションサウンドです。
Alias Sound製品「FLOOD」の回路を元に製作されたのですが、
中~高域寄りのサウンドとなり、別物と感じるほどの作品になっています。
良い悪いではなくキャラクターが異なる感じです。
濃厚な高密度の歪サウンドは間違いなくFLOODと同じく気持ちの良い音ですね。
Alias Sound様より詳しい感想も頂いておりますので掲載させて頂きます。
・JACKMAN
JACKMANといえば「SWORD(そうど)」と言われる程の人気商品を、
全く同じ内部部品を板金ケースに詰め込んだ作品です。
不思議なまでにサウンドの違いがみられ、板金ケースの方が暴れた感じのディストーション、
やはりこれもローが強く主張してきます。
saku氏によるブルブル研磨仕上げについても、
通常品のダイキャストケースや、HATACKMANにも使われているA5056削りだしケースとも違う、
独特な光沢が出ていることも発見しました。
また、実際に本製品の製作の様子や感想、違いなどをJACKMAN公式ツイキャス録画で見る事が出来ますので貼っておきます。
・デジTaka(個人)
公開出来る唯一の個人さんの作品です。
こちらも凄く美しい仕上がりになっています。
私の故郷、新潟でみた夜の青空に舞う雪を思い出しました。
幻想的ですね!!
として何より特筆すべきポイントはケース角のエッジやバリの処理の丁寧さ!!
段差を全く感じない仕上げは加工業でもプロレベルの仕上がりです。
あまりに美しすぎて拡大写真も撮ってしまいました。
サウンドとしては「クリーンブースター」に近いですが心地よいドライブ感も得られます。
歪みすぎない音として絶妙な仕上がりになっています。
以上がモニター頂いた方の作品や感想の御紹介となります。
長文になりましたが、最後まで見ていただいた方、
本当にありがとうございます。
書ききれないほどの思いが詰まった商品ですので、ぜひ一度使ってみて下さい。
今後共宜しくお願いします。
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