HATAのノブ・ツマミが出来るまで
こんにちは。
今回はお客さんからオーダーを頂き試作品を製作する案件がございまして、
この4年間であまり見せた事のない皆さんの知る「HATAノブが出来るまで」という感じでお見せしていこうと思います。
こんな感じで作っているのか~と思って頂ければ幸いです。
それでは早速、
■アヤメローレットストレートノブ
こちらが出来る(完成する)までの流れです。
①
A5056アルミの切り落とし材を用意するところから。
最初から丁度いい長さの材料はありませんので、2mの材料から長さ20mm程度で切り落としています。
②
切り落としただけの材料は端面がどちらも凸凹ですので、
ますはどちらでもいいので片側の端面を平らに挽きます。
(切削で削る事を挽くと呼びます)
平らにしなければこの後の加工で触れ(回した時にグワングワンと暴れる事)が凄まじいので危険です。
またこの最初の作業こそが、真円で回転させる為の完成度に大きく影響します。
③
次に平らにした部分を突き当てにして治具で固定し、
芯が出ている事を確認した上でもう片方を同じように端面挽きし、
こちらは面取りも行います。
こちらが後(完成時)にノブの底面(シャフトが入る側)になります。
④
底面側に止まり穴(Φ6.00)をドリルではなく細い刃物を使って挽いて仕上げます。
NCではなく手動機で試作を製作するため、
ドリルでは0.01の精度を出すには難しい事もあり、挽くのが精度出しの基本となります。
この穴が皆さんのポットシャフトが入る穴(Φ6.00)です。
⑤
続けて側面や天面を仕上げる時に使う治具用の段付き穴(Φ10.50)を挽いて仕上げます。
これは治具用の穴でもありますが、取付時のナット逃しにもなります。
底面側はこれで完成です!!
片側だけでも結構な手間をかけて慎重に製作しています。
~~~~
いよいよここからは正真正銘の外観製品として、
「見える部分の加工」に入りますので、神経を研ぎ澄まし集中して作業を行います。
⑥
まずは素材肌のままだった外径を、寸法出しの為に仕上げていきます。
素材肌も無くなり、綺麗なヒキメに。
そしてこの外径を整える精度によって、次のローレット加工にかなり大きな仕上がり差が出るので重要な工程です。
(ガタガタの凸凹表面に綺麗なローレットは出来ません)
⑦
そしてアヤメローレット(滑り止め)加工で仕上げていきます。
今回はアヤメ(クロス目)です。
アヤメの場合にはローレットの線(クロス目)が両方ともに同じ深さで仕上がらなければいけません。
これが中々難しく、難しいがゆえに手を抜いてしまう方も多いです。
⑧
横穴明け。(タップ用の下穴)
⑨
横穴の面取り。
⑩
M3タップ(ネジ切り)
通常はこの⑧⑨⑩はNC加工で同時に加工されるのですが、
手作業の試作では全て工程を分けて行っています。
⑪
両端面の角面取り。
ローレットを加工した時の両端に出る有害なバリを除去します。
⑫
そして私(中村)にしか出来ないとも言われている仕上げ加工であり、
「HATAといえば!」の切削スピン仕上げで完了です。
以上で切削加工の全行程が終了しました。
⑬
アルマイト処理が完了しました。
今回もHATAの処理技術「無劣化アルマイト処理」で切削外観をそのままに処理しました。
(色はブライトゴールド)
⑭
最後はやはりこの加工「鏡面カット」ですね。
以上で無事に試作製作が完了です。
いかがでしょうか?
一つの作品を生み出す為には必ず大変な手間がかかります。
しかし、その手間を掛けただけの感動も達成感も味わえます。
皆さんもぜひどうでしょうか!?
(⌒▽⌒)
それでは、
読んでくださった方、ありがとうございました!
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